日本ではエゾウコギ、ロシアではシベリアニンジン、中国では刺五加(しごか)、と呼び方は違いますが、昔から生薬として親しまれているエゾウコギを紹介します。
エゾとは昔の北海道の呼び名で、日本では寒暖の差が大きい北海道東部に自生しているウコギ科の植物です。
生薬としては根の茎や皮の部分になります。
中国では紀元前より漢方薬として利用されていて、16世紀の薬学書「本草網目」にも長寿の薬として載っています。
ロシアでは1980年開催のモスクワオリンピックで、エゾウコギを飲用した旧ソ連選手が圧倒的な記録をたたき出して大変注目されました。
近年では抽出エキスをいろいろな形の食品に加工する技術が発達し、手軽に摂取できるようになっています。
エゾウコギに含まれる成分
それではエゾウコギの成分を見ていきましょう。
ビタミン類としては…
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンE
- ナイアシン
- パテント酸
- イノシトール
ミネラル類は…
- カルシウム
- 鉄
- マグネシウム
- 亜鉛
- 銅
- カリウム
- ナトリウム
- リン
エゾウコギの特徴的な成分は…
- エレウテロサイドE(リグナン)
- エレウテロサイドB(クマリン配糖体)
- イソフラキシジン
- クロロゲン酸
- サポニン
エレウテロサイドEには免疫力機能、疲労、ストレスに大きな関係を持つβエンドルフィンの分泌を促進する効果があります。
エレウテロサイドBやクロロゲン酸はポリフェノールの1種で、脂肪燃焼効果が期待されています。
またイソフラキシジンには、血小板の凝集を抑えて血流をよくする働きがあります。
一方サポニンはニンジンや大豆に多く含まれていて、苦味とかえぐみのもととなる成分です。
サポニンの効果は古くから研究されていて、体内のコレステロール除去や血栓の元となる物質を抑制する効果、肝機能を改善し肥満を予防する効果などがあります。
エゾウコギの効果と効能
エゾウコギは研究の歴史も古く、オリンピック選手などのスポーツ選手の実績からも効果は確かだと考えられます。
エゾウコギは単品のサプリメントはもとより、精力剤や滋養強壮剤の成分のひとつとしてもよく利用されているので、知らず知らずのうちに飲用している場合があります。
精力・滋養強壮に関する効果・効能
- 疲労回復
- 滋養強壮
その他の効果・効能
- 免疫力向上
- ストレス緩和
エゾウコギの副作用と注意点
まれに軽い眠気、不安やいらつきを起こすことがありますが。
高血圧の方は服用を控えてください。
また、薬を服用中あるいは通院中の方、妊娠中の方は、お医者さんに相談したほうがいいです。
脳の物質に直接働きかけるので乳幼児には与えないほうが良いでしょう。
エゾウコギを使用した精力剤や滋養強壮剤
マカEX(小林製薬)
ゼファルリン
バリテイン