アメリカの先住民が薬草として様々な用途に利用してきたエキナセアを紹介します。
エキナセアは北アメリカ原産の多年草で、日本ではムラサキバレンギクという名前です。
エキナセアはアメリカ先住民の間で約400年にわたり、傷の洗浄や病気治療、鎮痛剤、伝染病予防に用いられてきました。
その後エキナセアはヨーロッパに渡り、ドイツを中心に研究が進められ、ドイツでは医薬品として扱われています。
それでは、エキナセアの成分や効果について確認しましょう。
エキナセアに含まれる成分
エキナセアには健康成分として以下が含まれています。
- ポリフェノール
- カフェー酸誘導体
- シコック酸
- 2種の多糖類
ポリフェノールは天然に存在する有機化合物群のことを呼び、その中でカフェー酸はコーヒーに含まれるポリフェノールの一種で、リラックス効果やがん予防、動脈硬化抑制効果が期待されています。
2種の多糖類として、エキナセアにはアラビノガラクタンやフコガラクトキシログルカンが含まれています。
多糖類とは糖質の最小単位である多数結合したものです。
アラビノガラクタンはセイヨウカラマツにも含まれる成分で、ドイツではガンの民間療法に用いられる薬の有効成分のひとつです。
フコガラクトキシログルカンも含め、これらの多糖類は免疫力をあげ腸内の善玉菌を増加し、免疫細胞を活性化させます。
エキナセアの効果と効能
エキナセアの精力や滋養強壮に関する効果は高くありませんが、近年の研究でエキナセアには抗菌及び抗ウィルス作用の効果があることが、カナダにあるブリティッシュコロンビア大学より報告されています。
この報告では、マクロファージがエキナセアの効果により食作用を促進することもわかりました。
マイクロファージとは、白血球の一種で、体内に生じた変性物質や生体内に進入した細菌やウィルスを捕食して消化するアメーバー状の細胞です。
この作用によりウィルス性の風邪、アレルギーなどに効果が期待できますね。
インドネシア大学は、エキナセアの慢性閉塞性肺疾患への改善作用について報告しています。
慢性閉塞性肺疾患とはタバコの喫煙が主な原因の慢性呼吸疾患のひとつで、肺胞の破壊や気道炎症が発生し、息切れ、咳・痰といった症状です。
精力・滋養強壮に関する効果・効能
- なし
その他の効果・効能
- 風邪
- 抗菌・抗アレルギー
- 慢性閉塞性肺疾患改善
エキナセアの副作用と注意点
エキナセアはサプリメントなどに配合されている成分量では副作用はありません。
しかし直接飲用する場合、アトピーやアレルギー症状をお持ちの方は、自己免疫疾患の症状を悪化させる可能性がありますのでご注意ください。