オクラに納豆に山芋、これらに共通なことはなんでしょう?そうです、ネバネバですよね。
このネバネバはムチンと呼ばれます。ムチンは糖とタンパク質を多量に含んだ「糖たんぱく質」というものからできた水溶性の食物繊維です。
しかし、ムチンは食べ物に含まれているだけではありません。
実は我々の口の中、胃や腸などの消化器官、関節や目の粘膜もムチンで覆われています。
それでは、我々の身近な存在であるムチンについて、その成分と効果を紹介していきます。
ムチンに含まれる成分
ムチンは糖タンパク質というものからなります。
タンパク質というものは、いろいろな種類のアミノ酸の分子がつながって出来上がっていますが、このなかで糖たんぱく質はタンパク質を構成するアミノ酸の一部に糖鎖が結合したものです。
つまり、核となるタンパク質があって、無数の糖鎖が結合し長く巨大な分子が出来上がったものになります。
この巨大分子の性質として一般的に強い粘性をもち、保水性が高いため、みなさんがご存知のオクラや納豆、山芋のネバネバになります。
先ほど紹介した食べ物や人間の生体の表面だけでなく、ヌルヌルしたウナギの表面も魚類特有のムチンです。
ムチンの効果と効能
山芋やオクラそして納豆などは昔から精力や疲労回復によいと言われています。
これは、ムチンがタンパク質を分解する酵素を含んでいるためで、ムチンが食べ物や飲み物に含まれるたんぱく質を分解することで、食べ物の栄養素を体に吸収しやすい形にしてくれるためです。
また、ムチンは我々の体表面を覆う粘膜と同じ成分ですから、目の水分保持によるドライアイ改善、胃の粘膜を正常に保つことによる胃炎や胃潰瘍予防効果が期待できます。
ムチンは水溶性食物繊維の面も持っていますから、適量を取ることで整腸作用もあります。
さらにアメリカのジョンズホプキンズ大学の研究では、ムチンがロタウィルスと結合することから抗ウィルス活性を期待でき、免疫力向上に効果があると考えられます。
精力・滋養強壮に関する効果・効能
- 精力向上
- 疲労回復
その他の効果・効能
- 目の水分保持(ドライアイ)
- 胃炎や胃潰瘍予防効果
- 免疫力向上
ムチンの副作用と注意点
国立健康栄養研究所からは、副作用の報告はありません。
しかし、ムチンは水溶性の植物繊維の役目もありますので、過剰に取ると下痢や栄養素吸収を妨げると考えられます。
通常の食事やサプリメントにおいては問題がありません。